ますます価格競争が激しくなっている眼鏡業界。
今や工夫のない眼鏡屋さんは、生き残るのが難しいとも言われています。
眼鏡屋さんのほとんどは店舗型のお店。
しかし、最近移動販売車の眼鏡屋さんが、増えてきていることをご存知でしょうか?
眼鏡屋さんの開業は店舗型だと、費用面などから敷居が高く見えがちですが、移動販売車なら、開業のハードルがグンと下がります。
眼鏡業界は価格競争が激しい業界。そんな業界で生き残るためにはオリジナリティが必要だと言われています。
では、他の眼鏡屋さんとは違うオリジナリティを出すには、どうすればよろしいのでしょうか?
今回ご紹介するのは移動販売車で営業を行う『移動式の眼鏡屋さん』です。
移動販売車の普及から店舗を持たずに運営できることで、今さまざまな業界が注目を浴びています。
店舗型の眼鏡屋さんと併設してもよし!
イベント出店や地域密着型の運営もよし!
移動販売車のみの運営もよし!
どんな使い方をするかはあなた次第。
ただ、さまざまなシチュエーションに対応できることは間違いありません。
あなたもこの機会に移動販売の『眼鏡屋さん』を始めてみてはいかがでしょうか?
それでは今回は、移動販売車での『眼鏡屋さん』の運営についてご紹介させていただきますね。
移動販売車の『眼鏡屋さん』がオススメな理由は?
あまり知られていませんが、移動販売車での営業スタイルは、店舗型の眼鏡屋さんと比較してみるとメリットがたくさんあるんです。
ここからは移動販売車の眼鏡屋さんのメリットとデメリットをご紹介させていただきますね!
店舗型と比較!!移動販売車『眼鏡屋さん』のメリット・デメリット
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《メリット》
①資金面での節約が可能。
②働き方が無限大。
《デメリット》
・空間の狭さ
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眼鏡屋さんを開業するのに、一番気になるのは資金面ではないでしょうか?
眼鏡屋さんを経営するのにかかる経費は、
① 開業する時に必要な経費と②毎月必要な経費です。
ここで、一例を出して経費の差を比べてみましょう。
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《店舗型の眼鏡屋さんの一例》
①開業する時に必要な経費
・店舗の賃貸費:家賃120~240万円(賃料20万円)
・内装費:約50~200万円
・検眼機器などの設備代:約400~1000万円
・眼鏡の仕入れ代:約300万円
・通信のための導入費(電話・メール・ネット予約など):約10万円
・広告宣伝費:約15~30万円万円
TOTAL 900~1500万円
②毎月必要な経費
《店舗型の眼鏡屋さんの一例》
・店舗の賃貸料:20万円
・電話やインターネット代などの通信費:約2万~3万円
・眼鏡の仕入れ代:約15万円
・水道光熱費:約2~3万円
・広告宣伝費:約15~30万円
・その他の雑費:約2万~3万
TOTAL 56~74万円
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《移動販売車の眼鏡屋さんの一例》
①開業する時に必要な経費
・移動販売車代:約200~300万円(※小型車の場合)(レンタル:約1~2万円/日)
・ガソリン代:約3000円~8000円
・インテリアや内装費:約2~5万円
・検眼機器などの設備代:約400〜1000万円
・眼鏡の仕入れ代:約300万円
・広告宣伝費:約5万円
TOTAL 約900~1345万円
②毎月必要な経費
《移動販売車の眼鏡屋さんの一例》
・ガソリン代:約1000円~3000円
・眼鏡の仕入れ代:約10~15万円
・その他の雑費:約2万~3万円
TOTAL 12~19万円
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店舗型の眼鏡屋さんと費用面で大きな差が出ましたね。
移動販売式の眼鏡屋さんは、賃貸料がかからないため、初期費用と維持費を抑えられます。毎月ガソリン代がかかりますが、賃貸料よりは抑えることができますので、お金の節約にもつながっていることがわかりますね。
移動販売車は、イベント出店も気軽に行えるため、かなり融通が効きます。店舗型だと移動ができませんが、移動販売車は行動範囲が広がるので、顧客獲得のチャンス。
イベントによって用意する眼鏡を変えるなど、顧客ニーズに対応すれば、いろんな世代の顧客との関係が作れることは間違いありません。
イベント出店をすれば、出展者同士でのつながりができることもあります。出展者同士で仲良くなれば、イベントの情報交換や人脈の広がりなど、様々なチャンスを得ることもできちゃいますね。
また眼鏡屋さんでリピーターを獲得するためには、アフターサービスが不可欠と言われています。ご自身のタイミングで、お客様に定期的に連絡をすれば、お客様との信頼関係を結ぶことも可能。
お客様も自宅にいるだけで、アフターサービスを受けられるので、両者ともにお得ですね。
店舗型の眼鏡屋さんも魅力的ですが、初期費用が高いため、手を出しにくいというのが本音。移動販売車は初期費用を抑えることができますので、その分内装や外装にこだわるのもありですね!
移動販売車で『眼鏡屋さん』を経営するための資格や届出
眼鏡屋さんを経営するためには、どのような『資格』や『届出』が必要なのでしょうか。
それでは一緒に見ていきましょう。
①眼鏡屋さんを開業するための資格は?
眼鏡屋さんを開業するための資格は必要なく、無資格でも開業することが可能。
眼鏡屋さんは検眼、レンズ選定、フレーム選定、眼鏡制作など、専門的な技術が求められます。
また顧客によってニーズが異なりますので、ニーズに応えるための技術が必要。
社団法人日本眼鏡協会では、眼鏡製作者に対して、「認定眼鏡士」と呼ばれる検定資格を与えています。
また有資格者であれば、顧客への信頼を掴み取りやすいため、資格の取得が推奨されています。
眼鏡専門店での一般的な流れは、検眼、レンズ選定、フレーム選定、眼鏡制作といった工程。そのため、全ての顧客に一番適した眼鏡を提供できる技術が必要。
社団法人日本眼鏡技術者協会では一定条件以上の眼鏡制作者に対して、「認定眼鏡士」と呼ばれる検定資格を付与しています。
また日本眼鏡販売店連合会は、眼鏡屋さんに対して3つの項目を満たすよう推奨。
- 販売店に社団法人日本眼鏡技術者協会の認定眼鏡士が在籍している
- 眼鏡公正取引協議会の会員であること
- 日本眼鏡安全協会の製造物責任保険に加入していること
この3点が顧客への『信頼』『安全』『安心』を満たす重要なポイントです。
②眼鏡屋さんを開業するための届出は?
眼鏡屋さんを開業するための届出は、個人の場合は税務署に開業申請が必要です。また開業届は郵送でも提出することが可能。思ったよりも簡単に開業ができるようになったんですね。
不明点がある場合は、開業する地域の税務署で相談に乗ってくれますので、気軽に相談してみましょう。
移動販売車で『眼鏡屋さん』開業までに決めることは?
移動販売車で眼鏡屋さんを開業するのに、決めておきたいことはなんでしょうか?
何を決めればいいかわからなければ、前に進めることができませんよね。
ここからは、移動販売車で眼鏡屋さんを開業する前に決めておくことについて、ご紹介させていただきます。
どんなコンセプトにするか?
眼鏡屋さんを開業する前に、まずお店のコンセプトを決める必要があります。
お店のコンセプトが良いものでなければ、あなたのお店のファンになってくれるお客様ができないかもしれません。
- どんな営業スタイルにするのか
- どのくらいの収入を見込んで営業するのか
- どんな顧客をターゲットとするのか
このあたりはしっかり決めておく必要があります。
コンセプトはお店の看板になりますので、必ず時間をかけて考えるようにしましょう。
例えば営業スタイルを決める場合は、「イベント出店可能」や「コンタクトの対応の有無」「営業時間の決定」のように、決めるべきポイントがたくさんあります。
移動販売車の営業になりますので、出店地域も決めておかなければいけません。
出店地域を決めておくことは、お店とお客様の信頼関係につながる重要な指針になるので、しっかり決めておきましょう。
また眼鏡屋さんは、どの顧客層にリーチしたいかで、仕入れる眼鏡のフレームが変わります。
移動販売車は、お客様の元へ直接行くことができることが強み。地域によって年齢層が異なるので、年齢層に合ったコンセプトを決めると良いかもしれませんね。
どんな移動販売車にするか?
お店のコンセプトが固まったら、移動販売車を入手する必要があります。
移動販売車を入手するに当たって、いくつか決めることがあります。
1つ目は車の大きさ。
眼鏡屋さんでどのようなスタイルを取るかによって、入手すべき移動販売車が変わってきます。
移動式の眼鏡屋さんの場合は、検眼機器を置くスペース、眼鏡士が1人にお客様が1人。家族連れの場合は、もう1人追加になります。そのため、検眼機器と最低3名分のスペースがあれば問題ありません。
この規模であれば、小型のタイプの移動販売車で十分でしょう。
そして2つ目は、入手方法についてです。
移動販売車を入手するには
- レンタルする
- 中古で購入する
- 新車で購入する
の3つのパターンがあります。
眼鏡屋さんを副業として取り入れる人は少ないと思いますので、中古か新車での購入が望ましいでしょう。
移動販売車にはいろんな車種のものがあります。
分からないこともたくさんあると思いますので、ぜひ、移動販売車の会社の方に相談して、実際に車を見て、あなたにふさわしい移動販売車を入手しましょう。
移動販売車で眼鏡屋さんをしている先輩をご紹介
それではここから、実際に移動販売車を使って眼鏡屋さんを営業されている先輩をご紹介します。
移動販売車を始めたきっかけが、とても素敵な『眼鏡屋さん』です。
PARIS MIKI
2012年10月に移動式の眼鏡屋さんを展開したPARIS MIKIさん。移動販売型店舗を始めたきっかけは東日本大震災でした。数々の被災地でライフラインとしての眼鏡の大切さを痛快し、災害に備えて準備していた緊急用眼鏡を避難所や仮設住宅に配布したのが活動の始まりです。
さまざまな事情を抱え、お店に来店できないお客様に向けて、移動販売式の営業を実施。視力検査や眼鏡、補聴器の調整、ご訪問先で眼鏡を購入することも可能。
▶DATE
【PARIS MIKI】
HP https://www.paris-miki.co.jp/visiting/
移動可能エリア
全国21の都市(山形、千葉、大阪、高知、広島、鹿児島、沖縄etc…)
残念ながら北海道や東京には対応エリアがありません。
駐車場の有無の確認あり。出張費は無料。
ご予約は公式HPに記載している店舗に直接電話が必要です。
営業時間
営業時間は店舗によって異なる
詳しい情報は公式HPにて確認しましょう。
店休日
店舗によって異なる
土日祝でも対応可能。
まとめ
移動式販売車の眼鏡屋さんをご紹介させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?『移動販売車』はさまざまな場所に自由に行き来できるので、バリエーションが広い営業が可能。
直接お客様のもとへ販売に行くため、お客様から直接嬉しい声をいただける機会は増えます。お客様の嬉しい声をいただけるのは、どんなお仕事でも嬉しいことですよね。
お客様との距離がより身近に感じられる『移動式の眼鏡屋さん』。
内装も外装もあなた好みにして、たくさんの喜びをたくさんの人に与えてみませんか?